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フリートレードとその問題点

第三世界に関する問題と、その周辺事情を改めて考えてみると、大きな二つの問題点が明らかになります。

現在第一世界と呼ばれる国々のODA(政府開発援助)による第三世界の開発による債務と、それによる貧困問題。 それから多国籍企業によって支配された自由貿易に関する問題です。

第一世界による第三世界への政府の開発援助は政治的、経済的に第一世界の視点に立った物が殆どで、開発国側の利益にならない結果に陥るケースもあります。又、多国籍企業による世界市場の支配は、かつてヨーロッパの国々が、奴隷貿易、植民地支配などを通じて作り上げた不公平な関係をそのまま引き継いでいるため、第三世界の人々は、今でも第一世界が最終製品にする第一次産品を生産し続けています。第一世界は資本と技術力を持って現地に赴き、第三世界は豊富な資源と安い労働力を第一世界に提供しているのです。自由貿易のシステムは複雑で、北側による南側の支配の構造そのものを南側の力で変えていく事は現実として難しく、現在も第三世界は第一世界の資本と技術に支配され、北側の自由貿易と資本主義に巻き込まれています。
多国籍企業は生産と流通の両方をコントロールする性質上、豊かな天然資源を第三世界に、そして安い労働力を第三世界と第一世界の貧困層(主に第三世界からの移民)に求め、同時にその売り先になる経済的に豊かな市場を第一世界と第三世界の富裕層に求めます。この様な貧富の差を持つ社会の構造は、労働力と市場の両方を必要とする多国籍企業にとっては都合が良く、同時に更なる貧富の格差を作り出す結果になります。現在、数社の巨大多国籍企業が、商品を国から国へと自社内移転することによって世界市場を動かし、自分達で価格を決定し、生産まで管理する様になっている。そういった構造的支配関係を打開する一つの方法としてフェアトレードという新しい形の貿易が誕生しました。

フェアトレード商品を扱う団体は、第三世界の飢餓・災害救済の為のチャリティーとして活動をスタートさせたケースが多く、その性質上、宗教的な背景を持った団体が殆どです。最も有名なイギリスのオクスファムは、第二次大戦中に飢餓救済のための募金集めから活動をスタートさせたキリスト教系の団体だが、次第に活動目的をチャリティーからフェアトレードへと転換して来ました。チャリティーからフェアトレードに移行する理由としては、第三世界と第一世界のより対等な関係を築く事と、継続的な貿易を通して第三世界の生産者の経済的自立を促すことなどが挙げられた他、UNCTAD(国際連合貿易開発会議)で第三世界の生産者の側から「援助ではなく、貿易を」と提案された背景があるためです。しかし、フェアトレード自体の歴史はまだ浅く、生産者の事情も地域により異なるため、フェアトレードとして一律の基準を設ける事は難しく、又、時により「援助」と「フェアトレード」の間に線を引くことが難しい場合もあります。その様な状況の中で各団体での試行錯誤が続いてます。

フリートレードとフェアトレードの大きな違いは、これまで述べてきた様に事業目的、規模などが挙げられます。しかし、やはりフェアトレードの最も大きな特徴としては、生産者との「顔の見える関係」と言えるでしょう。 大抵、生産者と消費者の間には双方の国のNGOが取引の窓口として対応するが、フリートレードの場合は生産者、消費者間にあまりにも多くの企業が仲介に入る為、双方の交流は愚か、一次産品、手工芸品どちらの場合もその生産過程や背景を知る事は難しくなります。しかし、フェアトレードは生産者と消費者が製品を通じて交流出来る貿易であり、仲介に入るNGOなどの団体がその役割を務めます。例えば、生産者は自分達の置かれた状況や製品の生産背景を消費者に伝え、消費者はそれらの情報を通じ商品とそれを取り巻く生産者の状況を知ることが出来る。又、生産者は適正な価格で自分達の製品を販売することで経済的に自立する道を見つけることが可能になり、消費者は大量生産では後回しにされている食品などの安全性を生産段階で生産者に求めることが出来る。小規模な取引だからこそ話し合いによって何が可能で不可能なのかを探る事の出来る新しい貿易の形と言えるのです。

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